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本州の最西端在住の占いオタク「星乃ネコ」が、占い諸々を備忘録的に記録。元アンチ視点からの占い考察で、占い好きな人はもちろんそうでない人にも、占いの魅力をお伝えしています。

どうやってできた?月の誕生・成り立ちの4つの説

地球に住む我々は、朝になれば陽が昇り、夜になれば月が昇るサイクルが当たり前として生活していますが、月は誕生した約45億年前から今日まで、暗い闇夜を明るく照らしてくれています(新月を除く)

また西洋占星術における月は、その人の本質や心の在り方を意味し、太陽星座と同じくらい重要な天体

そんな日常生活はもちろんのこと、西洋占星術にとっても重要な存在であるお月様がどうやって誕生したのかを理解するのは、星読み師として至極当然!

ということで今回は、現在までで提唱されている月が生まれた4つの説をご紹介します☆

 

分裂説(親子説・子供説)

地球の一部が自転の勢いでちぎれて月になったとする説。

種の起源」の著者、チャールズ・ダーウィンの息子、ジョージ・ダーウィンによって提唱され、地球が高速で回転した結果、地球の一部が月へと分かれて行ったというもの。

確かに月の物質は地球内部のマントルの物質と比較的似ていますが、月の元素組成を詳しくみると、地球のマントル物質とは異なっている点も少なくありません。
また、固い地球から月が分裂するためには地球の自転速度が相当速くなくてはなりませんが、実際の地球の運動量は月を分離させるのに必要な量の1/2しかなく、必要となる回転量を得ることはかなり難しいことがわかっていることから、現在ではこの説は有力ではないとされています。

双子説(兄弟説・共成説・集積説)

月と地球

太陽系ができたときに、月も地球と一緒に誕生したとする説。

地球と同じく、月も過去に高温にさらされたことがあることがわかったことから立てられた説で、地球と月には同じような物質が集積したことは間違いありません。

しかしこの説に従った場合、月と地球元素組成が同じでないと成立しないのですが、実際の月は地球に比べて鉄や揮発性元素に乏しく、また月の平均密度が地球の平均密度より小さいことの説明ができていません。

黄道面と一致するはずの月の軌道面が実際の観測から5.15°ずれていることから、この説も有力な説ではなくなりつつあります

捕獲説(他人説)

太陽系の全く別の場所で生まれた月が移動している間に、地球付近を通過するときに地球の重力によって捕らえられたとする説。

この説では地球と月が全く別の場所で誕生していることから、地球と月の物質は全然違う構造を持っている必要がありますが、アポロ計画で持ち帰られた月の石を分析してみると、月の酸素の構造が地球のものとよく似ていたことから、現在では有力な説ではなくなってきています

また、月ほどの大きな天体を捕獲するためには、よほど強い潮汐変形や原始大気のガス抵抗を考えなくてはならず、しかも地球の重力圏に捕らえたとしてもそのブレーキがなくならないと結局は地球に落ちて衝突してしまうことから、この説は概ねあり得ないと言ってもよいほどとなっています。

ジャイアンインパクト説(巨大衝突説)

月と地球の衝突

地球がほぼできあがったころに、火星ほどの大きさ(地球の10分の1)の星が激しく衝突し、宇宙空間に広がった両方の欠片が集積したことで月が誕生したとする説。

分裂説・双子説・捕獲説の説の欠点を打破するために1975年に生まれた説で、この説では月に金属鉄や揮発性元素が乏しいこと、衝突の過熱によって蒸発したガスが地球の周りを回るようになったことも説明でき、これまで研究者たちの頭を悩ませてきた様々な問題を克服することができたことから、今回紹介した説の中で最も有力と言われています。

しかしこのジャイアンインパクト説も万能ではなく、まだまだ謎も残されています。

衝突の様子をコンピュータでシミュレートしたところ、実際に飛び散って月を作るのは地球からの物質ではなく、衝突した天体の物質の方が多いという結果に。
これではもともとの地球のマントルから月を作るという前提が崩れ、現状は月の起源を確証を持って説明できる理論は残念ながらまだない、という結論に至っています。

月の誕生の秘密は未だ解明されていない!

アポロ計画やロシアのルナ計画で持ち帰られた月の岩石からは、何年にも渡って様々な情報を得てきましたが、持ち帰られた月の石は月のほんのわずかな部分のため、月全体の組成はまだわかっていません。

人類が初めて月面に足を踏み入れてから50年以上経ちましたが、まだまだ研究すべきことがたくさんあるとして、今もなお世界の研究者たちが真相解明に尽力しています。

【豆知識】月は1ヶ月で作られた!

big moon

ちなみに皆さんは、月がどのくらい時間でできたのかご存知ですか?

ジャイアンインパクト説を前提としてコンピューターでシュミレーションしてみたところ、衝突から1ヶ月後には現在とほぼ同じ大きさになったと考えられています。
更に当時の月は今よりももっと地球に近くて、現在の1/16の距離にあったようです。つまり、地球からは今の16倍も大きな月が見えていたことになります。

月は年間約3.8cmほど地球から遠ざかっている事実があり、一説では月と地球の距離が離れることで引力が強まり、地球環境や生物の精神・健康に影響を与えていると考えられています。

月を考えることは、地球に住む私たちの未来を考えることにつながるのかもしれませんね。