赤ちゃんにも良い?湿った宝石 アンバーの意味や石言葉・向いている人
アンバーはこれまで紹介した石とは成り立ちが異なり、そもそも鉱石ではなく、3000万年以上の松柏科植物の樹液(樹脂)が長い年月を経て地中で硬化したものです。
内部には昆虫や爬虫類などの小動物や植物を含む場合も多く、それらは虫入り琥珀とも呼ばれ、古代の空気を丸ごと中に閉じ込めた永遠のタイムカプセルなんて呼び方もされているようです。
石器時代には既に装飾品として用いられ、古代エジプト、ギリシャ時代より祈祷師が儀式を執り行う際に神聖なお守りとして身に付けていたとされ、日本でも古くから宝飾品として愛されてきました。
古代のバルトの国々ではアンバーを金銭代わりにギリシャ、ローマ、エジプトなどヨーロッパ各国と交易をした過去があり、今もその名残で財布にアンバーを入れて金運のお守りにしている人が多いと言われています。
海岸に打ち上げられて見つかったものをシー・アンバー、陸で産出されたものをピット・アンバーと呼び、採取される比率はシー・アンバーの方が多く、アラビア語で「海に漂うもの(anbar)」から名付けられました。
また産地によっても別名があり、バルト海沿岸地域のものはサクシナイト(Succinite)、ミャンマー産のものはバーマイト(Burmite)、シチリア産のものはシメタイト(Simetite)と呼ばれます。
アンバー(Amber):琥珀
透き通った蜂蜜色で、紫外線に当たると黄色~黄緑色に蛍光します。主成分がダイヤモンド同様炭素のため燃やすことができ、燃やすと竜涎香(りゅうぜんこう)のような香りがします。
化学薬品や熱した溶液に対する反応はアンバーの起源によって様々ですが、通常150℃で軟化、250℃〜300℃で溶解します。
また表面を擦ると静電気を帯びて小さなちりなどを吸い寄せますが、アンバー自体は電気を通さないため、かつては絶縁体として使われました。
内部に気泡や条溝・亀裂などがあって混濁していることが多いのですが、サラダ油で煮ると油液が充填して曇りが消えることがあります。
硬度が低く非常に柔らかい石のため、傷がつきやすく衝撃に弱く、取り扱いには十分注意が必要です。
石言葉
健康と長寿・家族の繁栄・邪気祓い・財運の安定・優しさ・抱擁
スピリチュアル的な意味
太古の地球の生き物から生まれたアンバーは強力な生命エネルギーを宿していると言われ、また新しい命の誕生にも力を貸すとされたことから、長寿や流産を防止する安産のお守りとして重宝される。
最近ではアンバーで作ったブレスレットやネックレスを身に着けた赤ちゃんの半数以上が、安心して寝てしまうという研究が発表され、赤ちゃんにも良い影響を与える石としても注目されている。
古代中国では子供が持つと病気にならないとされ、現在でも悪霊や病気を遠ざける効果があると信じられた。また中国の伝説上の神獣「白虎」同様、富貴、金運、財運を象徴する石として崇められた。
強いヒーリング効果と浄化力があり、水晶に次ぐ万能な石と言われる。
こんな方におすすめ
- 医療・福祉関係にお勤めの方
- 健康になりたい方
- 金運をアップさせたい方
- 金運を安定させたい方
- 疲れをとりたい方
- 小さいお子様
- 妊婦の方
色 | 黄色、褐色、帯白黄色、帯赤黄色、赤色、稀に帯青色 |
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条痕色 | 白色 |
モース硬度 | 2〜2.5 |
比重 | 1.05〜1.09、最大1.30 |
劈開 | なし |
化学組成 | 有機質の植物樹脂混合物 |
透明性 | 透明もしくは半透明 |
光沢 | 樹脂光沢 |
屈折率 | なし |
多色性 | なし |
蛍光 | 青白色〜黄緑色(ミャンマー産は青色) |
インクルージョン | 昆虫、植物片、パイライト |
産地 | バルト海沿岸地域(ロシア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ドイツ、ノルウェー、デンマーク)、ミャンマー、イタリア(シチリア島)、ドミニカ共和国他 |
※上記の数値は文献により多少異なる場合があります。
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【豆知識】アンバーは日本でも見つかる!
古代からの化石を内包する貴重なパワーストーン。
世界の産出量の8割をリトアニアのバルト海沿岸地方が占めていますが、実は日本でも産出する土地があります。
日本国内最大産地の岩手県久慈市では、白亜紀後期の恐竜が繁栄していた時代の虫入り琥珀が産出され、その他では奈良県にある有力者たちの古墳からも琥珀製の勾玉や丸玉が出土しています。